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【鹿角人をつなぐリレー取材No,6】山本亜子さん/『にこにこ』があふれる元気なお弁当屋さん

2020.01.10

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こちらの記事は、リレー形式で鹿角に住む「ひと」をつなぐ企画の第六弾です。
前回の豊田忠信さんからご紹介いただいたのは、
「かまどや にこにこ店」の山本亜子さん。

にこにこ笑顔のお弁当やさん『にこにこ店』

かまどや にこにこ店

取材に伺ったのは午後2時過ぎにもかかわらず、
来店のお客様やお弁当注文の電話が。

よく出る人気のお弁当は、定番の幕の内弁当をはじめ、
生姜焼き弁当、豚キムチ弁当、カレー弁当など。

1日平均で200食程を作るという大人気ぶりで、
店主の山本さんは朝6時半にはお店に来て作業をスタートするそうです 。
だいたい夜9時までの営業。

家に帰る頃には夜10時ぐらいだということで、
かなりの激務。

そんな毎日にも関わらず、山本さんはとっても明るくて元気な笑顔!

かまどや 山本さん

まさに『にこにこ店』です。

にこにこ店というネーミングは、
『作っている人も、食べた人も、みんなニコニコ笑顔になるように』
という温かい気持ちが込められた店名なのだそう。

普通の主婦からお弁当屋さんへの転身。その理由とは

お店を開店して14年。
開店に至った経緯とはどんなものだったのでしょうか。

実は東京の証券会社で働いていたという山本さん。
出身も東京です。

旦那さんと共に鹿角に来た山本さんは、
当時の鹿角の時給の低さに驚いたそう。

「これって、私が高校生のときのバイトと同じ時給だ!」
とびっくり。

かまどや 山本さん

残念ながら、鹿角の最低賃金の低さは首都圏の方にとって驚きしかありません。

そんなもやもやした気持ちのまま、過ごしていましたが、
あるとき、新しい道への発見がありました。

道端で商売をしていた軽トラックの餃子屋さんです。

小さい車の中で餃子を焼いて、直接お客さんに販売。

「こんな小さくても商売ができるんだ!」
と、目から鱗だったそうです。

料理が好きだったので、食べ物を自分自身で売る、というところにも関心を抱き、
どうせ時給が低いなら、小さくても自分にできる範囲のことを
商売にしたらいいんじゃないかという思いに駆られました。

何かやりたい、と旦那さんに気持ちを打ち明けたところ、
旦那さんの知り合いだった、かまどやの東京の本部長さんと繋がり、
なんと、次の日には鹿角に会いに来てくれたそうです!
もはや運命的。

それから1、2か月。
あれよあれよという間に出店が決定!

スピード感がすごいです。

かまどや 作業風景

「それまではほんとにただの主婦だったんですよ。
自分も母もお料理が大好きで、ほとんどお弁当を買ったことがなかったのに、
まさかこういう仕事をするとは思っていなかった。」

『やらなきゃよかった』と思った日々も

そんな順調に進んだスピード出店でしたが、
開店してからは、
『お店なんてやらなきゃよかった!』
と思い悩む日々だったそう。

営業すればするほど赤字…という状況が最初は続いたそうです。

そんな苦しいなかで続けた地道な努力。

「駐車場に停まっている車のワイパーにチラシを挟んだり、ポスティングしたり。
子どもが近所にポスティングしてくれたことも。
今思うと、そうとう怪しい人だった(笑)」
と、当時の苦しかった思い出も明るく振り返ります。

かまどや 山本さん

努力のかいもあり、しだいにお客さんもついてきて、
今や来店型の弁当屋さんでは鹿角で唯一のお店となりました。

お店を始めて一年程で全国チェーンからは抜け、独立したそう。

今は就職して家を出ているという娘さんたちですが、
お店を始めたときには2人の娘さんはまだ小学生。

「子どもたちが小さいときは晩ご飯をお店で作って持たせて、という感じでした。」

大変な毎日でしたが、
旦那さんのサポートがあって仕事をすることができたそう。

子育てをしながら自分自身のチャレンジもしてきた山本さんには、
かなり勇気づけられます!

やめよう、と思うときもありましたが、
売上は年々右肩上がりで、じゃあがんばろうか、という気持ちになるそうです。

今一番大変なところは、人手が足りないこと。
どうしてもシフトが埋まらずに、
やむをえず休みになる日が出てしまったそう。

会話が生まれる手書きのメニューカレンダー

かまどやにこにこ店の特徴といえば、
何といっても可愛い手書きのメニューカレンダー。

かまどや 手書きメニュー

これは山本さんの手書き。

手書きの味わいと、メニューのサブタイトルの面白さで、
メニューカレンダーをいつもチェックしてくれてるファンの方も多いんだとか。
会話のきっかけにもなるそう。

かまどや 手書きメニュー

あるときには、誕生日を書き込んだらケーキをいただいたり、
お手紙をいただいたこともあるそうですよ。
お客さんとのつながりを生んでくれる、素敵なメニューカレンダーです。

イラストも山本さんオリジナル!
実は絵本作家もやってみたかった、というぐらいのセンスの持ち主。

お店のニコニコマークも山本さんデザインで、
「かまどやで看板にイラストを入れるのは初めてだよ!」と言われたそうです。

おすすめは『うまい!』シリーズのとんかつメニュー

さて、みなさん、お弁当の話でお腹が空いてきませんか?
今すぐかまどやのお弁当を食べたくなった方もいるかも。

何を注文しようかな~。

たくさんのメニューがある中で、オススメのメニューを伺いましたよ。

かまどや メニュー

『うまい!とんかつ』という、とんかつを使ったメニューがオススメなんだそうです。
うまい!シリーズのとんかつは、お店で一から手作りのとんかつ!
普通のものよりも100円高くなるのですが、一度食べた人は、
みんなそちらしか注文しなくなるほど。

これはぜひ一度食べてみたい!

そのほかに、人気の裏メニューもあるそうなので、ぜひ聞いてみてください。

ニコニコ笑顔になれるお弁当をこれからも

大変な仕事のはずなのに、いきいきと輝いている山本さん。
自分のしていることを思いっきり楽しんでいるように見えます。

かまどや 山本さん

「いいことも悪いこともありつつ、
自分が死ぬときに全部チャラになってたらいいな、という気持ちです。
成功も失敗も自分に降りかかってくるのが商売の面白いところ。」

取材しているこちら側も自然に笑顔になるひとときでした。

お弁当の隠し味は山本さんの元気エネルギーかもしれません!

皆さんも、溢れんばかりのニコニコのパワーを貰いに
かまどやにこにこ店へ行ってみてくださいね。

かまどや

かまどや にこにこ店
〒018-5201 秋田県鹿角市花輪扇ノ間2-4
営業時間:9:00~21:00
TEL 0186-23-7770

【この記事を書いたライター】

スコップ編集部

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