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燻製屋「猫松」さん|燻製で新たな定番おみやげを目指して鹿角へ移住&起業!
2018.11.07
いま、鹿角市でじわじわと注目が集まっている「燻製屋さん」をご存知でしょうか?
元移住コンシェルジェ(地域おこし協力隊)の夫婦が立ち上げた事業です。
「燻製」が気になっている方にも、「地方で起業してみたい」と考えている方にも知って欲しい、そんな魅力的な人物に会いに行ってきました。
大阪から秋田県鹿角市へ、「起業」を見据えて移住
今回お話を伺ったのは、松村 託磨(まつむら たくま)さん(32)。
大阪府出身の松村さんは、「田舎に行って起業したい」という思いを持ちながらも、地元でサラリーマンをしていたそう。
「地方で起業が目標ではあったけれど、いきなりは無理だろうと思って。いろんな土地を調べているうちに、鹿角市での地域おこし協力隊一期生の募集を見つけたんです」
鹿角市の地域おこし協力隊の任期は、3年間。
その3年間を使って、任期終了後の定住に向けた準備をすることができます。
「起業への準備期間としても使える」という点に魅力を感じた松村さんは29年間過ごした大阪を出て、秋田県鹿角市へ移住。当時付き合っていた菜摘さんも連れて、移住のタイミングで入籍。
起業に向けたふたりの日々がはじまります。
「燻製事業」は秋田県の移住者起業支援プログラム ドチャベンがきっかけ
移住後、すぐに起業に向けて動き始めた松村さんですが、最初から「燻製を事業にしよう」とは考えていなかったそう。
サラリーマン時代に経験したリサイクル業の知識を活かして、空き家活用のほうで考えていたといいます。
そんな松村さんが、燻製で起業するきっかけとなったのは2016年。
秋田県主催の移住者起業支援プログラム「ドチャベン」に出場し、かねてより好きだった燻製を使ったビジネスプランで銀賞を受賞しました。
「自分に向いているのはリサイクル業ですが、どうせなら好きなことを一生の仕事にしようと思いました」
3年間の地域おこし協力隊任期を終え、2018年、いよいよ燻製屋「猫松」をオープンさせるに至った松村さん。
好きなもの、やりたいことが明確な方だからこそ、いろんな縁やチャンスをつかんできたのかもしれません。
コンセプトは「家で猫とくつろぎながらつまむ燻製」自分がおいしいと思うもの以外は、世に出さない
(地元大阪のデザイナーが作成したパッケージは白とシルバーでシンプルに)
「経営的に、商品数を多くした方が良いんでしょうけど…」と笑う松村さんは、「自分がおいしいと思うもの以外は、世に出さない」というポリシーを強く持ちます。
一生の仕事にしたいからこそ、商品の味には妥協せず、「中毒性を感じるくらいの味を追求」しています。
たとえば、タマゴの燻製。
比内地鶏を使ったほうがブランド的にも、イメージや知名度でも、商品にはプラスなはず。
「でも燻製にすると、ふつうのタマゴの方がおいしいんです(笑)」と、経営者として迷いながらも貫くこだわりを見せてくれます。
もうひとつ、すでに商品化されているナッツの燻製。(写真の商品)
キャラメル・ソルト・プレーンの3種類を作り、ここにも、松村さんのこだわりが。
「キャラメルには渋みのあるクルミが合わないから抜いて、ソルトにはマカダミアが合うから入れて。それぞれ微妙にナッツの配合を変えているんです」
そんな風にこだわり抜いて作られる猫松の燻製は、これまでの燻製イメージとは少し違っています。
菜摘さんがご飯と一緒に燻製を食べているのを見て、松村さん自身がもつ燻製イメージの幅が広がったそう。
「女性や若い人にも燻製を楽しんでほしい。お酒だけじゃなくコーヒーやご飯にもあうので、いろいろなシーンで楽しめる燻製です」
猫好きな松村さんが「家で猫とくつろぎながらつまむ燻製」をイメージして、女性や若い人にも楽しんでもらえる、というコンセプトをもった猫松の燻製は、かわいくて誰かにあげたくなりますよね。
移住も起業もコストがかかる!大変な道を歩んでいくには情熱が必要
移住に起業、トントン拍子で来たように見えてしまいますが、やはり大変だったのはコスト面だそう。
「シミュレーションしても、まずそのとおりにはいかないです(笑)収入よりも、余計なコストが本当に多い。ストレートに言うなら、起業にお金は欠かせません」
地方で起業を考えている方へ、なにかアドバイスはありますか?と訊いたところ、「金と愛!」と即答した松村さん。
「今の時代、製造業はかなりのリスクがあります。だからあえて大変な道を選んだということになるんですが、情熱がなかったら続かないです」
好きなことを仕事にするのはむずかしいと耳にすることもありますが、松村さんへのインタビューをとおして、リスクのある道に進むなら好きという情熱がないと続けることはできないのかも、と感じます。
鹿角の新たな定番おみやげに。移住の先輩としても大きな存在!
取材中にも、仕入れたニンジンの下ごしらえなど忙しそうにしていた菜摘さん。(農家の方からこれを燻してほしいというリクエストもあるんだそう!)
おふたりで話しているときの関西弁がなんとも愛らしく、仲の良さを伺えます。
そんなおふたりが目指すこれからの「燻製屋 猫松」の未来像とともに、最後にメッセージをいただきました。
「猫松の燻製を、鹿角の新しい定番おみやげにしていきたい。これから鹿角に移住しようかな?と思っている方は、ぜひ一緒にこの町を盛り上げていきましょう!」
現在、鹿角市内では「kotoriusagi」「道の駅 おおゆ」「870bar」にて、猫松の燻製を買うことができます。
ホームページ・ネットショップは準備中とのことで、オープンしたらスコップでもご紹介します!
【燻製屋 猫松】
https://www.nekomatsu.jp/
【この記事を書いたライター】
スコップ編集部
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