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志張温泉元湯~かづの湯治場めぐりVol.1~
2019.03.04
こんにちは、スコップ編集部のいとうです。
いきなりですが、わたくし、お肌の曲がり角なんてとっくに過ぎた33歳です。
それでも諦めきれないツヤとハリ。
そんなとき、ふと目にしたワードが、「湯治」でした。
湯治とは:1週間以上滞在しながら温泉にくりかえし入り、
その効能による治療・療養を目的とすること。
医学的に認められている医療法のひとつ。
湯治をもっと気軽に活用してみたい、と思ったんですよね。
しかしまぁ、情報量が少なすぎる…。
「湯治」という言葉の意味はいろんなところに載っているけれど、
実際どんなふうに活用できるのか?が見えてこない。
ならば自分の足で動いて体験し、情報を作っちゃおう!
ということで、鹿角市内の湯治場探しに私が頼ったのは、
移住コンシェルジュ(地域おこし協力隊)。
なんたって彼女たちの情報力、そして地域とのつながり力はすごいですから…。
鹿角の温泉情報を詳しく教えてくれたのは、移住コンシェルジュの勝又 奈緒子さん。(かなりの温泉好き)
温泉郷の多い鹿角、
このまま湯治文化がなくなってしまうのはなんだかもったいないよね、
もっと若いひとが活用していければいいよね、そんな話を進めるなか、
私たちのなかに生まれたキーワードが「美容と湯治」。
美容としての湯治をもりあげたい、そんな思いが生まれつつ、
いやいや待て待て、自分たちは湯治やったことあるのか?と。
そんなきっかけから、まずはそれぞれの泉質や宿の特徴を知るべく、
かづの湯治場めぐりの旅が始まりました。
ということで、今回の記事はその第一弾!
さぁ、行ってみましょう!
【八幡平温泉郷】志張温泉元湯
私たちが鹿角の湯治場めぐり、一ヶ所目に訪れたのは、
八幡平温泉郷にある「志張(しばり)温泉元湯」。
八幡平スキー場の手前に位置する志張温泉元湯は、
鹿角市花輪からもっとも近い八幡平温泉郷の湯治場です。
この志張温泉元湯、オーナーの戸舘 忠(とだて ただし)さんが超人気者!
(鹿角の温泉話でよく耳にしていた噂の人物に、ようやく会えたのがうれしい)
80歳になる戸舘さん、農業との兼業でこの志張温泉元湯を守ってらっしゃいます。
さっそく戸舘さんに「湯治」について訊いてみると、
「皮ふにはなんでも効くよ!」と即答。
「実際にこれまで何人かのお客さんから、’重度のやけどが6ヶ月で良くなった’とか、
’医者で治せないような症状が改善された’って言われたこともあります」
戸舘さんと志張温泉はもう長いお付き合いで、思い出話も聞かせてくれます。
「もう70年くらい前だけどさ、子どものとき、
外で遊んで皮ふがかぶれたりなんかして。
そうすると周りの年寄りが連れてきてくれたんだよね。
まだバスが通ってないころなんか、
玉川まで行くトラックに乗せてもらったこともあったなぁ」
70年80年の時を経て(おそらくもっと歴史は深いけど)、
いまもこうして残っている志張温泉元湯ですが、
じつは平成20年に一度閉鎖されています。
「58歳のころから山の案内を始めて、(ここの自然に)ハマってしまったんですよ。
志張温泉が閉鎖になってしまったことも、もったいないなぁと思ってて」
その後、競売にかけられたこの志張温泉元湯を戸舘さんが落札し、
みごと復活させたのです。
湯治宿としての志張温泉元湯をご案内!
さて、戸舘さんが蘇らせた志張温泉元湯ですが、
実際に「湯治」に来ているお客さまの割合はどれくらいなんでしょうか?
「オープンから3年くらいは、年に5~6人、
一週間の長さで湯治に来るひとがいましたよ。
最近は年に数回、リピーターさんがいらっしゃいますね」
…もったいない。せっかく湯治文化があるのに!
とはいっても、これを書いている私だって、
これまで「湯治」をそこまで意識したことなんて、ありません。
それほど「湯治」って、
聞いたことはあるけど「よく分からない」が正直なところなのかも。
湯治場としての志張温泉元湯、湯治どころとしての鹿角…
これはもっともっと広まるべきではないか、
もっと多くのひとが活用していいのではないだろうか…。
でも、どうやって?そんなことを考えながら、
戸舘さんに宿のなかを案内していただきました。
ベッドにお布団、そしてテレビ。まったく困ることのない生活用品が揃っています。
「暖房はね、オイルヒーターとかじゃなく、パイプに温泉を流し込んでいるんですよ」
なんと!だから廊下も部屋も、ポカポカだったんですね!
(そして、つまりそれは、エアコンやヒーターによる乾燥も気にしなくていい、
ということ!ますます、美容としての湯治が気になってきます)
(いちばん人気の部屋から見える景色。
桜や紅葉もすばらしいと想像できますが、この雪景色、一度は見て欲しい!)
(窓をのぞけば白銀の世界が広がるお部屋、そして広いお部屋も見せてもらって、
「湯治女子会がしたい!しよう!」と盛り上がる移住コンシェルジュふたり)
さらに戸舘さんの手料理もぜひ楽しみたいポイントのひとつ。
自炊制の湯治場が多いなか、志張温泉元湯では、
きりたんぽ鍋など地元の味も楽しませてくれるそう。
それも、戸舘さんが作ったお米と野菜で!
(ちなみに、お昼ごはんに出すおにぎりは、
お客さまから’今まででいちばん美味い!’と太鼓判を押されているそうですよ)
志張温泉元湯の泉質は
「ゲルマニウム含有弱アルカリ性重曹泉」
さて、ここでようやく「温泉」の紹介です。
志張温泉元湯は、ゲルマニウム含有の弱アルカリ性重曹泉、が特徴。
これ、どういうことかとひと言で説明すると…
ゲルマニウムの「デトックス作用」が強いんです
(私の経験上、デトックスという言葉が嫌いな女性はいない)
ゲルマニウム含有の温泉は、八幡平温泉郷でもここだけです。
「吹き出物が…」「シミが…」などなど、
老廃物の蓄積を感じる肌をもとに戻してくれる温泉ということですね。
そしてアルカリ性は、肌の「クレンジング作用」が強いため、
毛穴詰まりなどに効果的。
ただ、強すぎるアルカリ性では必要な油分まで奪われてしまうことも。
志張温泉元湯のように、「弱アルカリ性」なら、ちょうどよく肌の汚れを落とせます。
お湯自体は無色透明、源泉44.4度。つまり、だれでも入りやすい温度と泉質。
皮ふが炎症しているとお風呂が滲みてつらいものですが、そういったお客さまも、
ここのお湯なら入れるというほど。
(後日談ですが、ふたたびお邪魔したさいに一緒になったご婦人たちは、
「化粧水のお風呂」と呼び、吹雪のなか2時間かけていらしてました)
(シャワーも温泉。もちろん源泉かけ流し。※特別に許可を得て撮影しております※)
さらにこの志張温泉元湯は、飲泉ができるのもメリット。
言葉どおり「温泉を飲む」のが飲泉ですが、酸性の温泉だと飲みにくいんです…
(健康にはいいんだけど)アルカリ性だからこそ飲みやすい志張温泉なら、
気軽に体の内側からも温泉効果を得られます。
(肌ツヤッツヤな女将さんいわく「汚れのひどい洗濯物にもおすすめ」とのこと!
そこまで贅沢な使い方はさすがです…)
ここまで案内して頂いて(お風呂もちゃっかり入って)、
やはり「泊まって、ちゃんと湯治してみたい!」という気持ちが強くなってきました。
でもさすがに治療目的ではなく一週間泊まるのは現実的ではないかも…
と思っていたら、
「2~3日でも効果ありますよ。日帰りでも肩の痛みが改善されたというひともいます」
と、戸舘さん。
そうか、湯治=長期、という先入観が湯治を遠ざけているのかも?
日帰りや週末を利用した「プチ湯治」なら私たちでも気軽に使えるかも?
そんなことを思いながら、「湯治女子会」に思いをめぐらせ、
志張温泉元湯をあとにしました。
盛り上げ上手なオーナーと、入って良し飲んで良しな温泉。
もちろん湯治じゃなくても、気軽に入れる温泉です。
志張温泉元湯
秋田県鹿角市八幡平字切留平2-4
TEL:0186-25-8188
FAX:0186-25-8248
定休日:毎月第一水曜日
さぁ、「かづの湯治場めぐり」、まだまだ続きます!
「湯治女子会」の開催に向けて、しっかり調査してまいります!
※湯治にも飲泉にも禁忌症がありますので、ご注意ください。
治療目的のかたは医師への相談をおすすめします※
※温泉内は、特別に許可を頂いて撮影しております※
【この記事を書いたライター】
スコップ編集部
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