ピラミッド説のあるクロマンタ

夏も終わりに差し掛かったある日の昼頃、
私は車を鹿角市の大湯方面へ走らせた。

県道66号線を北へ。

目的はクロマンタの姿を確認することだった。

クロマンタはピラミッド伝説のある山だ。

鹿角市大湯の高台にそびえる小さな三角の山である。
その綺麗な三角のかたち故、昔から「日本最古のピラミッド」などと言われている。

正式名称は黒又山（くろまたやま）だが、
地元では昔から『クロマンタ』と呼んでいる。

縄文後期の遺跡である大湯環状列石から約2㎞北東にあり、
頂上には、本宮神社が祀られている。

クロマンタがあるこの地域一帯はとても静かで畑も多いのだが、
はるか昔は、ここから草木にかけては、鹿角でも一番栄えていたそうだ。

以前、大湯ストーンサークル館の学芸員さんに伺った話だと、
縄文時代には川の近くではなく、高台に住むのが普通だったという。

当時は採集や狩猟により食べ物を確保していたので、
木の実のなる森があり、たくさんの動物がいる場所の方が
暮らしやすかったということだ。

なので、この辺りは古代のメインストリートなわけだ。

こんな寂れた場所に環状列石などの遺跡があるのを不思議に思っていたが、
そういう理由だったのか。

クロマンタは何のためのピラミッドだったのか

クロマンタという語源も気になったので、
東北の言語に詳しい方の著書を確認したところ、
クロマンタの名前の由来も載っていた。

アイヌの言葉で
『クル・オマン・テ・イ』
＝『神を・神の国に送りやる・ところ』
こんな意味があるそうだ。

何やら祭祀的な雰囲気の漂う言葉である。

クロマンタには平成初期に本格的な学術調査も入ったことがある。

当時私は小学生だったが、テレビ局なども何度も大湯に入り、
小さな町が大いに湧いたのを覚えている。

その時にわかったのは、明らかに人の手が入った山だということだ。
元々の山自体は自然の物であるが、
山頂部分は広く平らに削り取られている。

そして、レーダー調査により、その斜面にも遺構があり、
整えられた痕跡があったのだ。

それはまさしくピラミッドである。

クロマンタのピラミッド説には様々なウワサがあるのだが、
黒沢万太を祭った古墳だとか、
ストーンサークルが機能していたころの祈りや祭祀の場だったとか、
はたまた、宇宙との交流の場だったとか。

どちらにしても、
重機の存在しない当時の人たちが人力で整えた大切な山だ。

現在はうっそうとした杉の木に覆われているクロマンタだが、
頂上付近からは縄文時代後期や弥生時代の土器片も発掘されている。

UFOとクロマンタの関係性はいかに？！

気になることは、UFOとの関係だ。

先日、道の駅おおゆにて、
UFOを呼ぶ会が行われた。

なんとその会場では、
ほぼすべての参加者が何らかの飛行物体を目視しているのである！
これはきわめて驚くべきことだ。

UFOなんているはずがないと思っていた参加者ももちろんいるだろう。
さぞ驚いたに違いない。

イベント参加者のある男性は、その時の様子についてこう話している。

「正直見られるとは思っていなかったんです。
2時間くらいぼーっと夜空を見上げて終わるんだろうなって。

とりあえずイベントゲストの鹿角不思議研究所K所長や
クサカケイタさんの言うとおりにUFOを呼び続けました。

30分くらい経ったでしょうか。
お客さんの1人が『あれは何だ！？』って声をあげて。

その方向を見てみたら光る飛行物体が
4つか5つくらい群れをなして動いてるんです。

それまでも夜空に星や飛行機はいくつも見かけたんですが、
そのいずれとも違う光り方と動き方でした。

少しすると光る飛行物体は全部闇のなかへ消えていき、
そのあとは見られませんでした。

興奮して写真や動画を撮影し忘れたのが残念です。」

その物体の正体は誰にもわからないが、
この事象がクロマンタの近くにある大湯で起こった事象だということは、
やはり何らかの宇宙的関係があるのでは、と疑わざるをえないのである。

海を越えた向こうの古代マヤ文明が残したピラミッドも
UFOとの関係性が噂されている。

UFOを呼ぶイベントにおいて、たくさんの人が飛行機ではない飛行物体を見たことや、
クロマンタというピラミッドが何らかの祭祀に使われていたことを繋ぐと、
とてつもなく大きな宇宙のチカラを想像してしまうのは私だけではないだろう。

クロマンタ……
不思議な山である。

黒又山
秋田県鹿角市十和田大湯宮野平