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「大湯観光りんご園」を営む若手女性|豊かな資源は鹿角の財産!
2018.09.13
こんにちは、スコップ編集部の伊東です。
「豊かな資源こそが鹿角の最大の魅力」と語る人も少なくありません。今回はそんな資源豊かな鹿角で活躍する若手農業従事者、大湯地区でりんご園を営む女性にお話を伺いました。
30歳の節目に鹿角へUターン!
上田千夏(うえたちか)さん、35歳。
大湯でりんご園を営む家に生まれ、高校卒業後から関東で暮らし、30歳になったタイミングでUターン。前職を辞めたころ「母ひとりで営む果樹園が心配だけどどうしようかな…」と考えていた千夏さん。お祖父さんもお父さんも亡くなったあとはお母さんが一人で頑張ってきていたそうです。
そんなとき、‘たまたま’お母さんが参加した都内での物産展を手伝い、‘たまたま’後押ししてくれる秋田の人たちと再会し、「心配なら自分でやっちゃえばいい」という言葉とともに、なんとその日その場、まさにとんとん拍子でUターンが決定!
運命的な偶然が重なり、現在はお母さんと二人三脚で果樹園を営む千夏さん、「小さい頃から果樹園があることが当たり前で、あそび場でした」と振り返ります。
千夏さんは‘おじいちゃんっこ’。
かつてこの果樹園を経営していた千夏さんのお祖父さんは、一時的に旅館へ養子に出ていたことがあったそう。しかし、お兄さんが戦死したことをきっかけに元の家(今の果樹園)へと戻されます。旅館で裕福な暮らしをしていたお祖父さんは「ボンボンな暮らしをしてきたんだから、果樹園を管理するなど無理だ」と周りから冷たい視線を浴びることに…。
それでも、負けたくないという強い反骨精神を持ち、その後は多くの観光客を迎えるまでに果樹園を成長させます。毎日何台もの観光バスが行き来し、なかには中国や韓国からのお客様も多かったとのこと。(※現在は受け入れていません)
「女だからと思われたとしても負けずに、簡単にはつぶしたくないんです」と、大好きだったお祖父さんの精神をしっかりと受け継いでいる千夏さん、話の節々に芯の強さを感じ、ぐいぐい惹きこまれてしまいました。
取材中、何度も出た「感謝」という言葉
(千夏さんは収穫する時期にこだわり、焦らず一番おいしいタイミングまで待つそうです)
千夏さんは取材中、何度となく「感謝」という言葉を口にしていました。果樹園を大きく成長させてくれたお祖父さんへの感謝、守り続けてきてくれたお父さんお母さんへの感謝、そして自然そのもの・支えてくれる人たちへの感謝。この「感謝」という言葉はご本人が意識して使っているのではなく、自然と出てしまっているように感じ、印象的な部分でした。
「大湯に帰ってから1~2年は、それまでの生活とのギャップにストレスを感じ、母とぶつかることも多かったんです。それでも徐々に生活リズムにも慣れてくると、やらせて頂いているという意識に変わりましたね。いまでは毎日感謝しかありません」
どんな仕事を選ぶか、どこで生きるか…この正解はそれぞれ違うと思いますが、ナチュラルに感謝できるかどうかは、現状が自分に合っているかを測るひとつの目安ではないでしょうか。
【これから】農業の間口を広げたい
(りんごと会話をしながら育てる、という千夏さん。パワフルであると同時にとても可愛らしい方です!)
「いかに農業を将来の選択肢に入れてもらうか」という点が、いまの鹿角が抱えるひとつのテーマでもあります。かつて山から水を引っ張り、農業も環境も守ってきてくれた先人たちに感謝をしつつ、これからもその環境を守るために必要なことは「若い力」。そのために、千夏さんが具体的に考えていること―――――。
それは、いま活躍している30代~40代の若手農業従事者と高校生の交流。
若手が嫌々ではなく楽しんで仕事をしている姿を見せることで、より近い未来の担い手となる高校生に「農業という選択肢」を持ってもらいたいと千夏さん。さらに、「閑散期のある農業は、好きなことをたくさん出来るというメリットがある。仕事をひとつに絞る必要もない」と千夏さん自身が感じ、やりたいことの実現に動いています。
りんご園に関しては、辞めるときには「木を切る」のが一般的な終わらせ方だそう。最後に千夏さんは「長子が継ぐという縛りは要らないと思います。未経験者はもちろん、海外の人でもやれる人がやればいい」と、大きな財産を守り続けていくために必要な柔軟な気持ちを見せてくれました。
筆者自身、鹿角に来てから農業に携わる方との交流が増えました。そこで感じるのは、どの方も「守るべきもの」「守りたいこと」を明確に持っているということ。筆者もまたご縁あってこの土地に来れたことに感謝して、この土地の財産を守る人たちを応援していきたいと感じています!
大湯観光りんご園 | 十和田八幡平の大自然に囲まれた鹿角市から、鹿角りんご・完熟りんごジュースを全国にお届け
(有)大湯観光りんご園
〒018-5421 秋田県鹿角市十和田大湯字上内野50
TEL:0186-37-3912(FAX兼用)
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【この記事を書いたライター】
スコップ編集部
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