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グラフィック・レコーディングの輪を鹿角から/田中美由紀さん
2021.02.22
グラフィック・レコーディングを始めたきっかけ
鹿角市を中心に秋田県内でグラフィック・レコーダーとして
活躍している田中美由紀さん。
グラフィック・レコーディングとは、
ミーティングや講演の内容を、文字とイラストを使って記録する方法のことで、
参加者がリアルタイムで記録を共有できるよう、
大きなホワイトボードや模造紙に描かれるスタイルが一般的です。
田中さんの描いたグラフィック・レコーディングは
市役所1階 市民ホールにて2月26日(金)まで展示しています。
鹿角でグラフィック・コーディングをやろうと考えたのには、
どのようなキッカケがあったのでしょうか。
「文章だけのものってとっつきにくいじゃないですか。
鹿角はおじいちゃん、おばあちゃんが多いので印象に残りやすくなるように、
絵がついていればわかりやすい、見たくなると思うんです」
介護認定調査員の仕事を普段している田中さん。
介護の仕事をしているからこそ気づく視点ですね。
2019年8月に参加した鹿角GENNKIカレッジ(主催:鹿角市生涯学習課)の講座で
グラフィック・レコーディングを知ったそうで、現在は始めてから1年ほど。
講座で1か月に1,2回の頻度でグラフィック・レコーディングを描いていて、
最近になって仕事としてもグラフィック・レコーディングを描くようになったそうで、年間に十数回ほどグラフィック・レコーディングを描いているそうです。
グラフィック・レコーディングの魅力とは
─グラフィック・レコーディングをしていて大変なことはありましたか?
「重要なことを聞き逃してしまったときに、焦ってしまうことです」
今は、コロナによってオンラインでの会議が増えて、
記録として映像や音声が残ることが増えました。
しかし、本来はその場限りになるものを、
何も知らない人がみてもわかりやすくまとめなければいけません。
聞いた内容を絵にするか文字にするかを瞬時に判断する力が求められ、
とても大変な作業になると想像できます。
─大変だからこそ、達成感もあると思いますが、
やっていて良かった点は何かありますか?
「普通のポスターなどに比べて、手書きの温かみがあり
読みやすいと言ってもらえたことがうれしいです」
広げた新聞紙2枚分ほどの模造紙に、
手書きで綺麗にまとめていく田中さんのグラフィック・レコーディング。
鹿角市の講演によく参加しているため、市の職員の中では知られていますが、
まだまだ鹿角では知名度は高くありません。
─初めてグラフィック・レコーディングを知った時の第一印象を教えてください。
「わかりやすいというのが一番大きかったです」
活字が並んでいるのを見るのが得意ではなく、
イラストが多いと助かると考えていた田中さん。
会議の場だけでなく、ビジネスでも取り入れられているグラフィック・レコーディングを見て、こんなわかりやすい情報発信の仕方があるんだと感じたそう。
「会議のときに自分で内容をまとめていると、皆さん下を向いてしまう。
でも、ホワイトボードとかにまとめていくと、
皆さん上を向いて話してくれるので、どんどん意見が出てきます」
インターネット上でも、話の内容を俯瞰的、直感的にとらえることができ、
議論の活発化につながるとしてビジネスの場で重宝されていると紹介されていました。
話の内容が目の前でまとめられ共有されると、
意見を考えるときとても楽になることも関係しているかもしれませんね。
配色に見られた細かい気遣い
─まとめていく中で何か気を付けていることはありますか?
「基本色、強調色、補助色というものがあり、基本が黒なら、
強調するときには明るめな色、補助色のグレーでそこに影をつけたりしています。
あまり色が多いと見にくくなってしまうのでたくさん色を使うことはありません」
「個人的には、事前にチラシやポスターが配られる場合に
そこで使用されている色をできるだけ使うようにしています。
企画した人のイメージがあると思うので、
タイトルとかがあるときは始まる前に書いておいたりしています」
どんな人が見てもわかりやすく、見やすいものにするために
色にも配慮がされているんですね。
チラシをデザインした人の意図を汲もうとしたり、
興味を持った人が前に配られたものに感じたイメージに合うように気をつけていたりと
細かいところまで気配りが見られました。
グラフィック・レコーディングの輪を
鹿角から広げていきたい
元々イラストを描いていて、そのあと
グラフィック・レコーディングに出会った田中さん。
イラストは20代くらいのときに、
後輩の方から結婚式の似顔絵を描いてほしいと頼まれたのがきっかけだそう。
そこで似顔絵を描くのがと楽しいと感じてイラストを描き始めたのが6年前。
イラストを描いて笑顔を届けるのが魅力だといいます。
最近ではNPO法人かづのclassyの事業で、
にかほ市や能代市でもグラフィック・レコーディングを描かれたそうで、
鹿角だけでなく活動の場をどんどん広げていらっしゃいます。
「今は、グラフィック・レコーディングの仲間を増やしていくことが目標です。
そのためにも認知度をどんどん広めていきたいですね」
田中さんのグラフィック・レコーディングには、ご自身の経験が
いろんなところで活かされていることがお話を聞いていてわかりました。
日本全体でみてもまだまだ知られていないグラフィック・レコーディング。
鹿角から有名になるやもしれません。
田中美由紀さん(たなみーさん)のアカウントはこちら
twitter:https://twitter.com/L7VWBj35zuLMUXg
Facebook:https://facebook.com/profile.php?id=100055525644222
【この記事を書いたライター】
耿
現在東京に住んでいる鹿角出身者です。
鹿角、秋田に関連したお店を探すのが好きです。
動物に好かれる体質になりたい。
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