「鉄にかかわる全てのことを手掛けよう」「鉄の何でも屋」をテーマにかかげ、日本でも数少ない加工技術を手がけている会社が鹿角にはあります。
「地元でモノづくりをしたい」そんな若い世代を育て、「もっと大きい製品の製造を」とベテランが向上心を持つ会社です。

大正10年創業の株式会社 柳澤鉄工所

尾去沢鉱山に勤めていた先々代が鉱山で身につけた修理などの技術を活かし、個人事業所として花輪新田町に事業所を構えたのが始まり。

現在の場所に事業所を移設したのが昭和42年で、現在は法人となって50期目になるそうです。

鉄にかかわるすべてのことを

「鉄の何でも屋」というコンセプトの通り、幅広く鉄製品を製造・設置業を手掛けている柳澤鉄工所。

・地熱発電・油・ガス・温泉・地質調査等の井戸掘削関係の部品製造
・製錬所・発電所・鉱山等の配管やタンクなどの製品製作設置業務
・食品などの製造に使われるコンベアの製造
・建物などに使われる鉄骨の製造

「鉄にかかわる全てのことを手掛けよう」、それは必ずしもすべての鉄工所ができることではありません。鉄を切って、曲げて、くっ付けて、削って…という、さまざまな加工を「広い敷地のなかですべてできる設備と環境」が整っている柳澤鉄工所だからこそのコンセプトなのです。

東日本トップクラスのスリット加工技術と設備

柳澤鉄工所が誇るいちばんの技術は「スリット加工」と呼ばれる、鉄のパイプに長細い穴・丸い穴をあける作業。

水・温泉・地熱発電の蒸気やガス・石油などの採取のための井戸を掘り
進めて、層に当たったときに吸い上げを行うために、地下へ埋めて使う
製品の製造にあたります。

じつは、この地熱発電・石油・ガス用の長いパイプにつけるスリット加工製品は、全国的にも製造している工場があまり多くありません。

「東日本では我が社の製品をかなりの割合で使っていただいています。スリット加工は製品化する際に敷地の広さが必要なため都心部の工場では生産が厳しく、広い敷地のある我が社で製造しています」と柳澤専務。

さまざまな重機が置かれる広い敷地面積で、幅広い作業に対応できることが柳澤鉄工所の持ついちばんの強みです。

入社5年、資格取得でさらなる飛躍

高校卒業後、柳澤鉄工所に地元就職をされた安保 翔矢さん（23歳）にお話を聞くことができました。現在は勤続5年目で、主に溶接や地熱など現場での配管作業を担当されている安保さん。

「入社５年目に入りだんだんと仕事の良し悪しも分かるようになり、資格を取ったことで現場に出させてもらう機会が増え、やりがいを実感している。今後は、先輩方や会社に認められるようになり、一人で仕事を任せられるようになりたい。地元でモノづくりに携わることがあればモノづくりで貢献していきたい」

地元企業で働くことの楽しさややりがい、将来への思いを語ってくださいました。

勤続50年、企業の変化と若い世代への期待

若い世代が育ってほしい、新しい戦力が入社してきて欲しい、とおっしゃるのは勤続50年の奥村 健さん（68歳）。

「50年間の柳澤鉄工所の変化を見てきて、工場の敷地面積・設備規模も変わり現在は業務の内容も時代とともに変わってきたので、今の若い人たちが頑張れれば道も広がり、もっともっと成長できると思いますし期待をしています。」

若い世代への大きな期待を込めた気持ちを教えてくださいました。

充実の資格取得支援、チャレンジできる職場環境を！

「我が社はまじめな職員が多いので、社員の向上心を後押しするための取り組みを行っており、資格の受験費用の補助、試験に行く際の交通費や社用車の使用などの援助をおこなっていて、試験にむけて工場内で練習場所の提供もしています。

資格を取りたい若い意力的な社員へのチャレンジしてもらえるような環境づくりと協力を会社としては今後も続けていきたい」（柳澤専務）

世代を超えて、深くつながる人との縁

柳澤鉄工所では、世代を超えたコミュニケーションを図るため夏のひとつの事業が終わったタイミングで慰労を兼ねてBBQイベント、さらに年に数回、親睦会主催でホテルなどでの食事会と、職員の交流を深めるイベントも開催されます。

仕事に関しても気が付いたことや安全面などで世代を超えたコミュニケーションをはかり、充実した職場環境を作りに力を入れている企業です。

東日本大震災の復興支援

柳澤鉄工所は東日本大震災時に取引先のお客さまが壊滅的な被害のため困っているとのことで、太平洋沿岸に向かい、工場内の瓦礫撤去から機械設備のメンテナンスと早期復旧のため復興支援をおこないました。